ワキ汗ワキ臭でお悩みの人は多いと思います。特にワキ臭は個人的に気になる分ならまだしも、ワキガの場合もあります。こうなると、ワキ汗と共に病気症状ということにもなりますから治療が必要です。

ところでよく「ワキ汗ワキ臭」というようにひとつで呼ばれることがありますが、ワキ汗とワキ臭の関係はいろいろ考えられます。ワキ汗は量の差はあれども誰でもかくものです。特にワキという部分は汗腺が多くある所なので、少しの運動などでも発生しやすい傾向にあります。

ワキに汗をかいた時は、まめに着替えることやタオルなどでワキ汗を拭くようにすれば、ワキ汗の臭いはかなり防ぐことができます。しかし、油断は禁物です。人間の嗅覚は、順応性という部分の性質があって、長年に亘って自分の汗の臭いを嗅いでいると、その臭いにも慣れてしまい、自覚が無くなってしまうことがあります。こうなると、電車の中などで周囲に不快な臭いを発散させているのに自分は気がつかないという、実に良くない状態になってしまう恐れがあります。

ちなみに、ワキ汗とワキガの関係ですが、確かにワキガの人はワキ汗が多いという傾向があるそうなのですが「ワキ汗＝ワキガ」という事ではありません。ワキガはワキ汗の臭いとは異なる非常に強い臭いがありますので、解決しようと思えば医師の診断を受けての治療が必要になります。さて、自分がどのレベルなのかはわかりにくいものですから、やはり専門医に相談してみるのが一番良く、軽症ならちょっとした工夫で対処できるようになります。

身体には無数の汗腺があり、汗はその汗腺を通じて出てきますが、腋の下は特に汗腺が集まっています。汗そのものは水分ですから臭わないとも考えがちですが、汗腺にはエクリン汗腺とアポクリン汗腺という2種類が存在しています。エクリン汗腺は汗をかく時の汗腺で、この汗は運動した時や暑い時に出るものです。又、水分の放出により身体の熱を下げて体温調節をするという機能を担っています。

エクリン汗腺の数は、数百万個とかなり多いのですが、この汗の主な成分は99％が水分であり残りは塩分ですから透明でべとつかないほとんど無味無臭の汗です。従ってワキガの嫌な臭いはなく黄色いシミにもなりません。

もう一つのアポクリン汗腺が実は問題なのですが、アポクリン汗腺は体毛が生えている皮下に集中している傾向があり、脂肪、鉄分、尿素、アンモニア等の不要になった物質を排出する機能を持っています。アポクリン汗腺から出た汗は少し白っぽい色をしていて、出た直後には臭いはしませんが、暫くして黄色いシミになるあたりからまずい事になります。

つまりこの成分が皮膚表面の細菌によって分解された時にワキガ独特の不快な臭いを発生させるのです。脇汗をかくと臭ってしまう原因はここにあります。この臭いが増加した状態をワキガというのです。従って、程度が軽ければ汗が出た後にすぐ拭き取るようにすれば、悪臭になる前に対処することができます。しかし、外で服を着ている状態ならば、なかなかすぐにそうした事ができない場合の方が多いのが問題です。

最近、ボトックス注射を使用した表情シワの改善やワキガの治療など様々な美容治療が人気を集めています。ワキガの程度が重く施術が必要になったとしてもメスを使用するのは大変抵抗があるものです。その点、ボトックス注射なら、その名の通り注射で済んで、1回のボトックス注射の所要時間も約10分程度で済みますから手軽な治療法といえます。

効果の持続性については、ボトックス注射１回の施術で、平均では半年程度の効果があるといわれています。口コミによっては永久に効果が続くともいわれることがありますが、実際は半年程度だと思ってください。

ボトックスとはタンパク質の一種であり、汗の分泌をコントロールする神経を遮断して汗腺の働きを抑えることができるため、多汗症の治療に応用されているのです。１回の施術費はそんなに高いものではありませんが、半年に１回必要になるので負担が厳しいと考える人も多いようです。そのためか、中には激安価格のボトックス注射治療を打ち出している病院も見られるようになってきました。

もちろんボトックス注射の効果を持続させるためには単価が安い方が嬉しいのですが、激安ボトックス注射の場合は中国製の不純物がおおい成分の危険性もあるので十分注意が必要のようです。当然、不純物の多いボトックスでは効果も弱いわけで、安もの買いの銭失いにならないようにしましょう。

オドレミンは昔からあるワキガ・汗止めの予防の医薬部外品の製品です。製造元は(有)皮膚薬化学研究所という会社で、主要成分は塩化アルミニウム、グリセリンとなっている液状のものです。塩化アルミニウムはアルミニウムの塩化物であり、汗止めに使われるものは正確には塩化アルミニウム６水和物というもので、水酸化アルミニウムを塩酸に溶かし、塩化水素ガスを導入して飽和させることで得られるものです。

使用方法も簡単で、入浴後の清潔にした状態で、液状ですからビンをよく振ってから、腋下を中心に汗をかきやすい部分に指先で適量を塗布するだけです。その後、乾かさないとせっかくの汗止め成分が衣服の方に付着してしまうので、乾かしてから衣類を着るのがポイントです。

更に、オドレミンが液状のために液ダレしやすいという点を改良したオドジェルミンという製品も登場しました。これは、その名の通りジェル状になったもので塗りやすいのが特徴です。効果については同様ですが、オドレミンより塩化アルミニウム濃度が薄いので、まめに付ける必要があるかもしれません。ただし容器がポンプ式で片手でも使えますので不便は全くありません。加齢臭が気になる人にも有効で、この場合は耳の裏に塗ることで効果があります。

塗り薬やスプレー品もいいですが、着るだけでワキ汗ワキ臭の対策ができる下着があります。それはサプリメントでおなじみのＤＨＣが展開しているの「汗取りシリーズ」と呼ばれる下着グループです。アイテムはいろいろあるのですが、例えば半袖キャミソールでは、一番汗の多いワキの下の部分がパッド式になっていて、効率よく汗を吸収するようになっており、しかもその部分は抗菌防臭ダンフレッシュになっているので臭いを防いでくれます。

ダンフレッシュはナノテクノロジーを駆使した加工で、多種の菌の繁殖を抑制し、何回洗濯しても抗菌防臭効果がほとんど変わらないのが特徴です。身生地についても、吸汗速乾ポリエステルと綿ベア天竺素材となっていて、吸汗速乾ポリエステルは異型断面型のポリエステル糸ですから効果も抜群です。ベア天竺との組み合わせで薄くて伸びもよく程よいフィット感を持ちながら、汗を素早く吸い取り拡散してくれます。肌触りはドライ感があって快適な着心地なのも特徴です。

更に、この下着のいい点はデザイン面が優れていることです。いくら機能性の高い下着でもいわゆるババシャツでは着れません。その点「汗取りシリーズ」はおしゃれで、立体的な光沢が上品なラッセルレースをふんだんに使用し、カラー展開も豊富ですから。胸元のレースを見せるような着こなしもＯＫですし、アウターライクにも着れます。アイテムは他にもストラップ式のキャミソールやノースリーブもあり、アウターのも組み合わせにも適応できます。スプレー用品などと併せて使えば、ワキ汗ワキ臭には更に効果もアップすると思います。